ノッカンドゥ 1975-1987 特級表記 40%

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KNOCKANDO 
(Aged 11-12 years) 
Distilled 1975 
Bottled 1987 
750ml 40% 

グラス:国際企画テイスティング
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封直後
評価:★★★★★★(6)

香り:ドライでほのかに若い原酒由来の酸を伴うアロマ。干し草、蜂蜜とレモンのような柑橘と、ハーブの要素を微かに感じつつ、乾燥した籾殻を思わせるような軽やかなニュアンスが広がる。

:口当たりは経年を感じさせる落ち着きがあるが、すぐにスパイシーでドライ、薄めた蜂蜜、干し草、香り同様のニュアンスにカルメ焼の甘味と軽い香ばしさ。余韻はレモンピールを思わせる軽い柑橘感とビターでスパイシー、仄かに張り付くような粘性が残る。

ドライで軽やか、奥行きはそれほどでもないが嫌みなところも少ない。短期熟成スペイサイドの典型的なキャラクターであるが、近年のものと比べるとバーボン樽由来の華やかさが少なく、さらに酒質中心のプレーンな構成に感じる。樽の構成比率の違いもあるのだろう。ドライで軽やかなところは、同時期のJ&Bとの共通項であるようにも感じられる。


J&Bの構成原酒であるスペイサイドモルトのノッカンドゥ。ジョニーウォーカーにおけるカーデューやモートラック、ホワイトホースのラガヴーリンやグレンエルギンと同様に、この時代のラベルにはJ&Bの表記があり、ブレンドとの関係性がアピールされています。
(今さら書く話でもないですが、当時スコッチウイスキーにおけるシングルモルトは認知度が低く、スコッチ=ブレンデッドと言っても過言ではない時代。当時リリースされていたモルトには、主要原酒として使っているブレンド銘柄がセットで書かれているものが度々見られます。)

ノッカンドゥの特徴は、適度な麦感のあるスペイサイドらしいライトな酒質。特に近年はライト化が顕著ですが、1970年代あたりまでは麦芽風味の主張に厚みがあり、熟成を経てそれがモルティーなフルーティーさに変わっていく、通好みの蒸留所だと思います。
特に1968年までの長期熟成品は、麦芽品種とフロアモルティングによる効果か、さらに多彩でフルーティーな傾向があります。他方で、若い年数のものは今回のようにドライさが目立つ部分があり、1980年代以降では若さも加わってより顕著に。ここは好みが別れるところでもあります。


これまでの記事でも触れていますが、ノッカンドゥはもっと評価されるべき蒸留所です。
流通があったためオールドはまだ調達でき、現行品であっても18年や21年など、樽感との馴染みが良く、オーキーなフルーテイーさや、ライトななかにも上述でも触れた麦芽風味が感じられる。こういうのを日常的に飲める環境ってのが落ち着くなぁと、愛好家の悟りとも言える感覚すら覚えるほど。

ただし評価されると価格が上がり、味が落ちるというのはこの業界の法則じみたところでもあるので、ノッカンドゥは万人向けの味とは思いつつも万人向けではなく、ある程度飲んだ人がたどり着くような、知る人ぞ知るくらいの位置付けであっても良いのかなと。そんなちょっとした独占欲を感じてしまうのも、この蒸留所の魅力なのかもしれません。

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雑談:絶賛夏休み期間中ということで、家族で上野の科学博物館で開催中の恐竜博2019へ。ここで展示されている複製標本のひとつ、現在発掘されているなかで最大のティラノサウルスRSM P 2523.8は、”スコッティ”という愛称で、発見時にスコッチウイスキーで祝杯をあげたことに由来しているというトリビアを始めて知りました。

となると、何を飲んだのかが気になるところ。発見は1991年、銘柄はWEBにあるニュースでは発掘できず。しかし場所がカナダであることを考えると、現地で流通しているスコッチで有名どころはJ&BやB&W、あるいは
シーグラム系列でバランタイン?

キルホーマン 10年 2008-2018 日本市場向け 56.5% #266/2008

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KILCHOMAN 
THE FIRST EVER 10 YEARS OLD SINGLE CASK FOR JAPAN
Aged 10 years 
Distilled 2008 
Bottled 2018 
Cask type Bourbon #266/2008 
700ml 56.5%

グラス:シュピゲラウ
時期:不明
場所:BAR ハリーズ高岡
評価:★★★★★★(6)

香り:角のとれたピーティーなスモーキーさ、塩素を纏ったほのかなヨード香、薄めた蜂蜜と柑橘、合わせて土っぽいアロマと干し草、若干武骨な要素を伴うウッディネス。

味:香り同様に角のとれたピーティーさ、ほろ苦い口当たりに蜂蜜レモン、微かに根菜のような土っぽさ、後半にかけてピートフレーバーが盛り上がるよう。余韻はスモーキーで程よいウッディさ、徐々に乾いた麦芽風味を感じさせつつ長く続く。

適度な熟成感、ウッディネス、そしてアイラらしいピーティーさの整った、若いなりにバランスのとれた構成。近年のアイラ10年熟成と考えれば充分合格点と言えるだけでなく、大器の片鱗を感じさせる。


昨年リリースされた、キルホーマンの日本向けボトルとして初めての10年熟成シングルカスク。キルホーマン全体としては、2018年時点で12年熟成や、話題になったシェリー樽のエクスチェンジ向け(これも10年熟成)など10年熟成以上のものが複数リリースされていましたので、若干後追い感はあります。

ただ、キルホーマンのバーボン樽熟成で、特に7~8年以上のものは適度な厚みの麦系のフレーバーに、オーキーなフルーティーさが合わさって熟成したラフロイグ等に通じる要素を備えた仕上がりとなっているものが多く、短熟だからと軽視できない仕上がり。
2000年代以降のアイラモルトは、紙っぽさや溶剤系のような要素を伴うなど、一時期に比べて仕上がりに陰りが見られるものが少なくありませんが、キルホーマンはここ最近のアイラモルトのなかでは最も将来性が感じられるわけで、その日本向けというだけで期待してしまいます。

そういう経緯から、今回のテイスティングも上記のようなフルーティーさが強化されたような仕上がりかと思いきや、思っていたのとフルーティーさの系統がちょっと違う。総合的に良くできているのは間違いなく、これはこれでアリなのですが、類似のキャラクターだとカリラやラガヴーリンのような・・・ちょっと系統が違う仕上がりであるように感じられました。

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(同日飲み比べた、キルホーマン6年2011-2019 メモリーズオブスコットランド(右)。こちらのほうがフルーティーさに柑橘プラス近年トロピカル系統が分かりやすい。総合的な完成度としては熟成感がある日本向け10年のほうが好みだが、分かりやすさと自分の求めるキルホーマンのキャラクターはメモリー~のほう。)

キルホーマンは100%アイラシリーズとして、蒸留所所有の農場(ロックサイドファーム)で生産された麦芽をフロアモルティングで仕込むなど、モルトスターから仕入れた通常の原料以外も使って原酒を蒸留しています。樽の質以外でそうした原酒部分の違いも、熟成後のキャラクターに影響しているのではないかと推察。
実際、これまでオフィシャルでリリースされている100%アイラシリーズは、ボディがあるというかフレーバーに厚みが感じられるように思います。

今後、これらの原酒がどのように育っていくか。3年熟成のリリースが2009年に話題になったあとは、ハネムーン期間の終わりというか、一時期話題になりづらかったキルホーマンですが、その間酒質は確実に良くなってきて、いよいよ飛躍の時を迎えたというのが2018年から2019年にかけて。
初期の頃のものは20年以上持つ酒質ではないと思いますが、15年熟成くらいで他のアイラを圧倒するようなリリースを楽しみにしています。(できればそれも、日本市場向けがほしいですね。)

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今日のオマケ:ローソンの1000円ワインシリーズから、ブルガリアのシラーズ&カベルネ、ロゴダジ2015。アテは夏休みの勢いで作ったローストビーフ。
このワイン、色合いのとおり濃厚ではあるんですが、ボディがちょっと軽いというか、そこまでしつこくないので食中酒に使いやすい印象。柔らかい酸味としっかりめの甘味、微かにベリーとスパイス。これはデイリーに使えるコスパ良好な一本でした。

クエルボ 1800 アネホ 1980年代流通 38%

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CUERVO 1800 
Anejo 
1980's
750ml 38% 

グラス:木村硝子テイスティング
時期:開封後1ヶ月程度
場所:自宅
参考評価:★★★★★★(6)

テキーラの代表的ブランドとも言えるクエルボの1800のオールドボトル。ブランドヒストリーはメーカーサイト参照で省略させていただくとして。。。クエルボは今でこそ様々な種類がリリースされていますが、当時はこの1800アネホが最上位ブランドだったとのこと。きっと良い原酒を優先的に使っているんだろうとポチって見ましたが、これはその予想の通りアタリでした。

テキーラの特徴とも言える独特の植物感に、マイルドな酸味を伴う引っ掛かりのない口当たり。グレーンウイスキーにも似たバニラを思わせる甘味のあるまろやかな味わいは、ドライさとギスギスした要素の出ている現在の同銘柄とは別物です。
現行品の仕様だと、アネホは8~12年かけて育ったブルーアガベを原料にした原酒を14ヶ月以上オーク樽で熟成しているとのことですが、このボトルのほうが風味も熟成感も自然で、えぐみやウッディな渋みもありません。原酒だけでなく樽そのものの良さも感じられるように思います。

加えて特筆すべきは、アルコール感の無さと口当たりのやわらかさですね。危険なほどするすると飲めてしまいます。我が家で2本、BAR2店舗、計4本状態を確認する機会がありましたが、単にアルコール抜けているというわけではなく、すべて共通してこういう味わいでした。
ストレートで飲んでも良いですが、これをカクテルベースに使うと変わらず度数を感じさせない味わいとなる、まさにレディーキラー。我が家ではパイナップルジュースで割ったマタドール崩れが定番です。

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(以前高岡のBARハリーズで即興でお願いしたオリジナルカクテル。テキーラとシャルトリューズ、あとはローズシロップなどの組み合わせだが、飲みやすさとテキーラベースの特徴はそのままに、香草のフレーバーが爽やかに効いて実に美味。)

この熟成テキーラはウイスキー好きにもオススメ出来る味わい。モルトタイプではなく、どちらかというとグレーンタイプの系統なので、バーボンやカナディアンウイスキーが好みの人には是非オススメしたいですね。
ウイスキーからブランデー、ラムは繋がることが増えてきましたが、テキーラはまだメジャーではありません。ですが、きっと新しい世界へのきっかけをつくってくれるのではないかと思うのです。

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以下、雑談。
最近ウイスキー以外の投稿をしていませんが、むしろ家飲みはウイスキー以外が多かったりします。
特に記事にするようなネタでもないのですが、ちょっとオマケとして記事の末尾で簡単に紹介しても良いかなと。今日は宮城県の「萩の鶴 純米吟醸 別仕込み 15%」です。

キッチリ冷やして楽しむ酒ですね。柔らかく甘い口当たりに、フルーティーで華やかな吟醸香。温度が上がると甘さがベタついてくるので、冷やすことで良さが増すように感じます。東北らしい酒というか、これは美味しい。
変にクドさがなく、整った味わいなので料理に合わせやすく、冷やした野菜に味噌、そんなシンプルな食べ合わせでも充分楽しめました。

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