ロングモーン 15年 2000-2016 OMC 55.9% 日本市場向け

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LONGMORN
Old Malt Cask
Special Cask Selection
Aged 15 Years
Distilled 2000
Bottled 2016
Cask type Refill Hogshead
700ml 55.9%

グラス:サントリーテイスティング
場所:BAR飲み(Gosse)
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★★★(6-7)(!)

香り:華やかな香り立ち。オーキーでバニラ、洋梨、ほのかに白桃のニュアンスも漂うフルーティーなアロマ。徐々に干し藁を思わせるウッディネスも。

味:コクのある口当たりからしっかりと濃い麦芽風味と華やかなオークフレーバー。薄めた蜂蜜、りんごのコンポート、余韻にかけてナッティーなフレーバーがアクセントに。
余韻は軽やかなスパイスとウッディネス、ドライパイナップルを思わせるオーキーなフルーティーさが長く続く。


これは中々良い出来のロングモーンです。
香味は1960年代のトロピカルフレーバー・・・なんていうことはなく、あくまで近年系の範囲にある構成ですが、飲み口にしっかりと麦芽風味とボディのある酒質で、後半にかけてフルーティーさが乗ってくる。このフルーティーさが、ただオーキーでドライなだけではなく、ナッツや蜂蜜の甘み、ほのかな酸味を伴っており、使われた樽そのものの良さも感じます。
結果、土台がしっかりしているから、香味も浮つかずに生きてくる、相乗効果で複雑さに繋がっている好印象なボトルです。

1990年代のロングモーンは軽いボディに樽感主体で、外さないけどそこまで高まらない、「またこんな感じね」なんて印象を受けていたのもあって、このボトルには素直に飲む喜びがありました。
それこそ最近だと、NAになったロングモーン・ディスティラリーチョイスなど、華やかだけど味わいは非常に軽いもの。ハイプルーフはどうかというと、味は安定して悪くは無いのですが、突き抜けないというか、軽いボディとピリピリとした刺激からローランドモルトかと思ってしまうボトルもしばしば。 

なお、OMCラベルで近年モノだと敬遠されがちなんでしょうか。日本市場向けのボトルなので本数が多いのもあるかもしれませんが、リリースから日が経ってるにも関わらず、まだ買えるところもあるようです。
価格も12000円前後と決して高くなく、現行品のスペイサイドで、手頃に美味しく飲み応えのあるボトルを選ぶなら、このOMCロングモーン15年は選択肢に入ると思います。

それにしてもこのカスクを選定したJISさん、流石の一言です。 
今後も今回のようなグットリリースをよろしくお願いします!

笹の川酒造 安積蒸留所がウイスキー樽の共同オーナー募集を開始

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笹の川酒造樽オーナー募集
日本各地で新しい蒸留所が産声を上げる中、操業した蒸留所が「樽売り」を開始しています。
樽売りには大きく2パターン、熟成した原酒を販売するものと、新酒の段階で売るものがあるわけですが、日本のクラフトディスティラリーのほとんどは熟成させた原酒を持ちませんので、今後蒸留するニューポットを販売し、規定の期間貯蔵庫で熟成。数年後にボトリングしたウイスキーが手元に届くというシステムになります。

自分で樽を持つ。
ウイスキー好きなら一度は憧れるマイ樽ですが、その価格は決して安くありません。
直近、国内クラフトディスティラリーのおおよその販売価格は、200リットルのバーボン樽(約5年程度の保管)で100~200万円。何よりボトリング後には100本単位で同じウイスキーが届くことになり、企業や団体が何かの記念に詰めておくなら現実味はありますが、個人の場合は消費や保管スペースの問題も・・・。
そんな中、先日募集開始された笹の川酒造(安積蒸留所)と福島屋商店の樽オーナー制度は、1口16000円で2本分を販売するもので、個人消費者でも気軽に参加できる共同企画となっています。

笹の川酒造 福島屋商店
参考及び画像引用:ウイスキー樽オーナー募集(福島屋商店)
https://www.fukushimaya-shoten.jp/whisky/

安積(あさか)蒸留所は、福島県郡山市にあるクラフトディスティラリー。
笹の川酒造については、このブログでも度々取り上げている"山桜"や"963"などの商品でご存知の方も多いと思いますが、同社が自社で原酒を生産するため、今年4月に整備を完了したのが、安積蒸留所です。
その後、5月~9月頃を試験蒸留期間として、設備の確認や様々なタイプの原酒を試験的に生産。10月から本格的に蒸留を開始しています。

今回募集される樽オーナー制度での原酒は、同蒸留所の系統からノンピート。樽のタイプは書かれていませんでしたが、ウイスキーオーク(リフィルカスク)か新樽、バーボン樽あたりだと思います。
保管期間は2017年3月から2022年までの5年間。ボトリングはシングルカスクの43%加水で、別途オプションでオリジナルラベルにも対応している模様。熟成期間中は、1年に1回のサンプリングや樽オーナー対象の蒸留所見学会なども行われるそうです。
時期的には、来年4月から社会人になる方、子供が生まれる方、あるいはお店を開業されたり節目の歳を迎える方が購入される(贈り物とする)のも面白いかもしれません。 


同蒸留所についてはウイスキーマガジンが特集した記事が既にWEB上にあるため、その仕様を知ることは出来ます。
しか、味も知らぬ蒸留所の原酒を樽買いするのは、たとえ少量であっても抵抗があるものです。
そこで今回の記事では、安積蒸留所のニューポットの特徴や、5年後の予測にフォーカスしていきます。 
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実は今年の7月。試験蒸留中の同蒸留所を見学、出来上がったばかりの原酒のテイスティングもしておりました。
訪問記として記事を書く予定でしたが、タイミングを逃してしまって・・・現在に至っていたのです。(笹の川酒造の皆様、申し訳ございません・・・。)

笹の川酒造は日本酒が主軸のメーカーであることもあり、仕込みの際にはウイスキー酵母以外に日本酒酵母を使った原酒も試験的に作っています。
別メーカーの方に聞いたところ、この日本酒酵母での発酵は、ウイスキー酵母やビール酵母に比べて中々難しく安定しないそうで、試験蒸留中うまくいかない事もあったのだとか。
そう言っても、どうせ蒸留するんだから大きな違いはないだろうと思っていたのですが、写真の5種類のニューポットでも、うつくしま夢酵母は日本酒のような華やかさがあり、協会701酵母はクリアで雑味が少ない、901号や広島酵母は逆に苦味などの雑味のあるウイスキーらしいニューポットに仕上がるなど、明確な違いにびっくりしました。


見学の際に聞いた話では、単一酵母ではなく、複数の酵母を掛け合わせるなどして笹の川独自の原酒を作っていく実験もしているとのことでしたが、先日のウイスキーフェスティバルでお聞きした際は、ひとまずウイスキー酵母で生産を開始したとのこと。

そのニューポットは、度数63〜64%。ボディはミディアム程度。
金属臭や硫黄臭などの嫌味な要素が少ない、穀物系の香ばしさと酸味を伴う素性のよさを感じる香り立ち。コクのある口当たりに軽いスパイス、乾いた麦芽の香ばしさ、ほのかに梅を思わせる酸味。余韻は軽やかな香ばしさが盛り上がるように残ります。
華やかでフルーティーなタイプというより、素朴な田舎料理を思わせるタイプだと感じました。

熟成環境に話を移すと、安積蒸留所は福島県のほぼ中心、郡山市の街中から少し離れたところにあります。
同市の気候は盆地の福島県らしく夏はカラッと熱く、冬は非常に寒い。即ち寒暖差があって熟成が早く進む環境であるため、このニューポットなら後は樽次第で、短期間の熟成でもそれなりに楽しめるクオリティに仕上がることも期待できます。 
写真は笹の川酒造の熟成庫。リンクウッドとカリラのウイスキーカスクに目が行きがちですが、ブレンド用に調達した原酒や、試験蒸留したニューポットの姿もあります。(また、元々倉庫だった場所を改築したため、ダンボールなどの荷物が(笑))
購入した原酒もまた、ここで5年間の眠りにつきます。
一つ懸念事項を上げるなら、夏場は30度くらいまで気温が上がるため、樽が強く出過ぎる可能性があることでしょうか。
ただ、それも土地の色、土地の味であり、ウイスキーの熟成と共に過ごす期間が、特別な時間である事に変わりはありません。また、ボトリング時に43%まで加水する仕様であることが、強い樽感を押さえてバランスの良さに繋がる可能性もあります。

今回の企画と類似のものは、かつてニッカウイスキーが浪漫倶楽部として行っていましたが、現在は募集を停止しているため久しぶりの機会となります。
今後、その他の蒸留所でもこうした企画が増えてくれたらいいなと思いつつ、控えめにアピールして、この記事の結びとします。

響 ジャパニーズハーモニー マスターズセレクト NA 43% 免税限定

カテゴリ:

HIBIKI JAPANESE HAEMONY
Master's Select
Suntory Whisky
(No Aged)
43% 700ml

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:50ml(サンプル@NYさん)
場所:自宅
時期:不明
暫定評価:★★★★★☆(6)
※少量加水で★6評価。

香り:干し藁を思わせる乾いた植物感と香ばしさ、メンソールのスーッとする爽やかさに、ほのかに若い原酒の酸味と硫黄も感じられる。徐々にプルーン、カカオチョコレートを思わせるシェリー樽由来のアロマ。奥にはオレンジママレードやエステリーなニュアンスも感じられる。
時間をかけてじっくり飲んでいく必要がある。あるいは少量加水すると華やかでクリーミーなアロマが開く。

味:口に含むとスパニッシュオークシェリー樽の甘みと木の香り。メレンゲクッキー、プルーン、クラッカー、ほのかにカカオを思わせる苦味、椎茸っぽさもある。
余韻は樽由来のえぐみを伴い、淡くドライでビター。みたらしのような甘みが長く続く。
加水するとじわじわとオーキーでバニラやドライフルーツの華やかなフレーバーが開く。これは少量加水して飲むべき。

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2015年から国内に展開されている、響ジャパニーズハーモニー。そのブランドからDFSとのコラボで、免税限定品としてリリースされたボトルが、今回のマスターズセレクトです。

通常品のジャパニーズハーモニーがややあっさり目のブレンドであるのに対し、マスターズセレクトは香味の随所、特に味わいに近年のシェリー樽のニュアンスが感じられるブレンデッド。
おそらくスパニッシュオーク樽のシェリー原酒をベースに組んだんだろうなーと、免税店のサイトを調べてみると「山崎シェリーのニュアンスが特徴的」の文字。原酒の熟成期間は10年以上ともありつつ、多少若いニュアンスは拾いますが、モルティーでリッチ、ボディも程良く厚みがあります。
このように書くと濃厚なタイプをイメージされるかもしれませんが、所謂バランスタイプで色なり、良いも悪いも含めて「シェリー樽だね」というフレーバーが全体の中に感じられるレベルです。

他方で、少量加水して少し置くと、シェリー系フレーバーの奥にある、オークやミズナラ原酒由来と思しき華やかなニュアンスも顔を出し、ストレートでは感じ取りにくかった"響らしい香味"を楽しむことが出来ました。
響ブランドにある特徴の一つに、少量加水で開く香味というのもありますが、そのブレンドの方向性もしっかりとありますね。

今回のサンプルは、ウイスキー仲間のNYさんが、海外旅行の際に購入してきてくださったもの。いつもありがとうございます。
最初はストレートで飲んで「ウーン」となりましたが、記事を書きながら加水して置いておいたところ、あれ、これええ感じやんと。
テイスティングはストレートと少量加水に集中したため、他の飲み方は試していませんが、これならロックなども期待出来そうです。

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